23 Jan. 2019

2018年10月の旅(3)立山黒部アルペンルート(大観峰 室堂)



【大観峰】





黒部平からロープウエイで昇ること7分、
標高差500mの大観峰(標高2316m)に着きました。




ロープウエイを降りて




さっそく展望デッキへ。




黒部平から更に高度が上がった大観峰からの
後立山連峰と黒部湖です。
晴れた稜線が鋭く見えています。
左中ほどの建物は黒部平駅です。




黒部湖に浮かぶ観光遊覧船です。




ロープウエイからも見えた、タンポ沢と呼ばれる傾斜面です。
珍しい縞模様の紅葉に目を奪われます。




標高が高い地点ではそろそろ紅葉も終わりを迎えます。




黒部湖を背景に往復するゴンドラは見飽きることがありません。




そして紅葉の絨毯の色も微妙な色合いに。




ここ大観峰は、立山連峰の断崖から
せり出すようにように造られた展望台で
前方180度の視界で後立山連峰の連なりを望むことが出来ます。

そしてこの展望台は、立山トンネル入り口へと繋がっています。




こうして「立山トンネルトロリーバス」に乗り込み
次の目的地、室堂へ向かいました。




「立山トンネル」は立山の直下を貫通し、
大観峰と室堂の3.7Kmを8分で結ぶ
日本で一番高い地点(標高2420m)にあるトンネルです。




当初立山トンネルの工事は、
黒部湖 ー 室堂間に全線自動車道路を建設する事を最終目標に
1966年に開始されました。

ところが、環境や景観が損なわれるとする自然保護団体の強い反対により
全線自動車道路を諦め、
黒部湖ー黒部平間は全線地下式のケーブルカーに、また
黒部平ー大観峰間はロープウエイに計画が変更されました

1971年、難工事を経て立山トンネルは完成し、
この結果、既に完成していた「立山ケーブルカー(立山駅ー美女平)」や
「立山高原バス路線(美女平ー室堂)」
そして「 関電トンネル(扇沢ー黒部ダム)」をつなぎながら
富山・長野の両県を直接結ぶ
「立山黒部アルペンルート」が全線開通したのでした。



参考画像


現在立山トンネルを走るこのバスは
2018年11月に、関電トンネルトロリーバスが廃止され
翌年から電気バスが導入されることになった結果、
国内で走る唯一のトロリーバスとなりました。
内部はこのように普通のバスと同じです。

そろそろ室堂に着きます。





【室堂】





10分で立山トンネルを抜け、
室堂ターミナル(標高2450m)に到着しました。




こちらは「室堂ターミナル」の建物で
「ホテル立山」も併設されています。

発着するトロリーバスは架線の付いた無軌条電車であるため、
ここ室堂ターミナルが日本で一番高い鉄道駅となっています。




室堂ターミナルの正面に、台形の立山がそびえています。
左から富士ノ折立(ふじのおりたて)、大汝山(おおなんじやま)、そして雄山(おやま)です。
立山はこれら3峰の総称で、昔から霊山として厚く信仰されて来ました。




こちらは室堂周辺の地図です。
立山をはじめとする、主要な霊山を仰ぎながら
みくりが池を約90分で一周する遊歩道をミニトレッキングしました。
赤い丸印が見たところです。




ターミナル近くの「立山玉殿の湧水」という雄山直下の地下水です。
立山トンネル開通と共に湧き出した名水だそうです。




行く手に見えている建物は、「立山室堂山荘」という宿泊施設です。




立山室堂山荘です。1987年に建て替えられています。
背景の山は、立山の右隣に位置する浄土山(霊山2832m)です。





《 立山室堂(重要文化材)》


立山室堂山荘に隣接して建つこの2棟の小さな小屋は「立山室堂」と呼ばれ
日本最古の山小屋といわれています。
立山参詣のための施設として、加賀藩の援助で江戸時代中期に建てられたもので
冬の積雪にも耐えられる堅牢な造りになっているそうです。

1980年代まで、隣接した立山室堂山荘の一部として使用されていましたが
文化的価値が認められて、美女平の立山杉を用いて解体修理が行われ、
1995年に重要文化財に指定されました。

調査によれば15世紀頃の礎石も見られ、鎌倉時代から
僧侶や修験者による宗教活動があった事が確認されているとのことです。




下図は堂内に展示されていた、当時の参詣者たちの図です。
                                           
    



立山の主峰である雄山の山頂には、雄山神社が建っています。
社伝では701年の開山となっており、
富士山、白山と並ぶ三霊山として、山岳信仰の場となっています。
ズームで撮った山頂付近です。




立山をバックに、来た証拠です。
台風の影響で、強風が吹きはじめました。




遊歩道の近くに紅葉が少し残っていました。




《みどりが池》

室堂平は火山噴火で出来た、溶岩台地です。
紅葉が過ぎると、このようにちょっと殺風景ですが
火山特有のいろいろな地形に富んでいます。

みどりが池は室堂周辺にある火口湖のひとつで
水深は浅く1.6m程度とのことです。
透明度が高いということですが、この日は強風で波が立ち
背景の立山が湖面に映る光景は見れませんでした。




立山の左に続く山は、真砂岳(霊山2861m)です。





《血の池》

血の池は火口湖の跡で、
赤い酸化鉄を血の色に見立てて付いた名です。
真砂岳の左隣りには、別山(霊山2880m)の峰が続きます。




中央の血の池です。





《地獄谷》 

地獄谷(2400m)からは白い火山性ガスが噴出しており、
通行禁止となっていますので
このエンマ台展望台から眺めるだけとなっています。周辺には温泉が湧いています。





《みくりが池》

みくりが池は周囲600m、水深15mの火口湖です。
背後の大日岳(左2501m)と奥大日岳(右2611m)の両山は
霊山として重要な信仰の対象となっています。
荒涼とした遠景です。




左は立山の主峰の雄山で、右は同じく霊山の浄土山です。
池の標識が立つここからの眺めは、主要な撮影ポイントのようです。




立山3峰を背にしたみくりが池です。
右に小さく立山室堂山荘が見えています。
風がおさまらず、湖面の青い色がさざ波に消されて残念でした。
池の周りのハイマツの茂みに、天然記念物の雷鳥を見る事があるそうです。




こうして周囲を霊山に囲まれたみくりが池は
まるで立山信仰に関わりがあるかのようで
大変印象に残りました。
山の位置関係を表す下図は参考画像です。




富山平野が霞んでいます。
運が良ければ雲海が見れるのだそうです。




室堂ターミナルに戻って来ました。
次は立山高原バスで、宿泊地の弥陀ヶ原に向かいます。




弥陀ヶ原へ向かう、高原バスの車窓から
剱岳( 2999m)が見えてきました。




灰色の岩肌の剱岳は、その名の通り草木も生えぬほど鋭く尖り、
周囲の山々とは全く異なる姿に驚きました。
その特異さから、古来この地方の信仰の中心は立山ではなく、
剱岳だったとする説もあるそうです。




ー続くー