11 Dec. 2018

2018年10月の旅(2)立山黒部アルペンルート(扇沢 黒部ダム 黒部平)



今回は北アルプスを貫く、
総延長37.2kmの「立山黒部アルペンルート」の旅です。

参考画像



【信濃大町】

長野から松本を経て、信濃大町駅(標高712m)に着きました。
ここからアルペンルートの長野側のゲート、扇沢へのバスが出ます。




駅前の旅館に泊まり、翌朝の出発に備えました。
一夜明け、心配していた台風25号の影響はまだ大丈夫のようです!




信濃大町駅の駅舎は赤いトンガリ屋根です。




紅葉シーズンの連休ということで
早起きして扇沢駅行きのバス停に並びましたが、人はちらほら。
この分だとアルペンルートも混まないかも知れません。
宿屋のご主人によれば、台風25号の接近でキャンセルがずいぶんあったとのこと。




扇沢への道も空いていて快適なドライブ。





【扇沢】

約40分で標高1425mの扇沢駅に着きました。
周囲の白樺の木を見て感動しました。
ここから「関電トンネルトロリーバス」に乗ります。




立派な駅舎です。




駅前は観光バスの発着に備えて、広い駐車場に。




立山黒部アルペンルートは、下図のように
扇沢と立山駅の間を
トロリーバス、ケーブルカー、ロープウエイ、高原バスで乗り継ぐ、
北アルプスの山岳観光ルートです。
印が扇沢です。

参考画像


下は信濃大町駅にあった、鳥瞰図ですが
アルペンルートは、黒部渓谷を挟んで並行して走る
後立山連峰と、立山連峰を
黒部ダムの地点で貫いている事がわかります。




トロリーバスに乗り込みます。
見た目はバスですが、架線から送られる電気で走るので、
正式名は「無軌条電車」というのだそうです。
つまりレールのない電車です。

乗る前に「左右どちら側の景色がいいか」と迷う必要はありません。
好きな席に座りましょう。全部トンネルの中なんで。




突然ですが
54年前の1964年に開業したこのトロリーバスも、
今年の11月30日をもって廃止され
冬季運休後の2019年4月からは、強力なバッテリーを搭載し、
ナンバープレートも付いた、電気バス(参考画像)に変わるそうです。

今回の旅行では、思いがけず廃止直前のトロリーバスに記念乗車できました。
手前が新バスで、奥が旧バスです。


参考画像



トロリーバスは
出発後、すぐ近くのトンネル入口までは外を走ります。




トロリーバスの走る全長5.4kmの関電トンネル
当時は秘境だったダム建設現場へ、
大量の資材や人を運ぶ唯一の手段として掘られたものです。

工事は扇沢から3km地点で、
破砕帯という、砕けた岩盤が柔らかい砂状になった地層に遭遇し
そこに溜まった大量の地下水が溢れ出す大変な難工事になりました。

結局長さ80mの破砕帯を掘り進むのに7ヶ月もかかり
長野側と富山側から掘ったトンネルが貫通(1958年)するまでに
1年7ヶ月かかったそうです。

途中長野県と富山県の県境を越えます。





【黒部ダム 黒部湖】 








16分で、黒部ダム(標高1470m)に着きました。




次々とバスが到着します。




階段を220段上がって
黒部ダムの展望台へ行きましょう。




展望台へ登るのは大変なのが常です。あと70段。




さあ、着きました! 
黒部湖と、朝日の射す北アルプスの山々です。
そして巨大な黒部ダムの姿です。




黒部第四ダムは1956年着工、
工期7年、作業員延べ1000万人、総工費513億円をかけて
1963年に黒部峡谷に完成しました。

高さ186m、横幅約500mは、現在も日本一の規模です。
2億トンの貯水量と、10km下流の発電所までの545mの落差を利用して
関西の電力供給を増やし、日本の高度経済成長をささえました。




黒部湖の豊富な貯水量です。
豪雪地帯のため、冬には積雪の形で山々に水が蓄えられ
ダムの水が枯れることはありません。




ダムの構造は、中央はアーチ型、
両端は岩盤や地形の補強を考慮した、くの字型になっており
黒部独特のものだそうです。




ダムから黒部湖越しに見上げた立山連峰です。
日常では目にしない3000m級の連なりに、北アルプスに来たという感動が・・。




この日の展望台からの全景です。。
遠く北アルプスから、足元のダムの底まで
クリアに見渡す事が出来ました。




ここまで登って来た証拠です。




このあと新展望広場まで、外回り階段を伝って降りて行きました。
右は広場の一角に付設されたテラスから、
放水を間近に見る人々です。




毎秒10トンの観光放水は
6月26日から10月15日まで行われています。

岩盤やダムが水の力で侵食されないように、
放水は滝状ではなく、霧状にするなど
安全管理には、特に力が注がれています。




さてこちらは新展望広場に再現された
熊谷組が担当した、関電トンネル工事の現場です。
工事の困難さと、関係者の不屈の努力を描いた
映画「黒部の太陽」の展示もありました。




当時のトロッコが置かれています。




黒部湖の近くまで来ました。
ダム関係のモニュメントが並びます。




黒部ダム工事における171人の殉職者の慰霊碑がありました。








500mのアーチ上の長い歩道(堰堤 えんてい)を歩くと
あらためてダムの大きさを実感します。




近くから見る黒部湖です。




高い堰堤から下流方向を覗き込んだところです。
放水による虹がかかっていました。




堰堤を15分で渡り終わり、対岸を見たところです。
巨大なダムの側壁に張り付いた外階段が、上の展望台まで続いています。
中間にせり出して見えるのは、新展望広場と付設のテラスです。




次は、堰堤の端にある「黒部湖駅」から
ケーブルカーで「黒部平駅」まで登ります。




ケーブルカーの出発です。




この「黒部ケーブルカー」の開業は1969年です。
黒部一帯は豪雪地帯のため、雪害を防止する対策として
全線を地下トンネルにした、珍しいケーブルカーです。

日本で一番高いところを走るケーブルカーで
勾配は最高30度を少し超える、かなりの急角度です。





【黒部平】





黒部湖からの0.8kmと標高差370mを、
5分で黒部平駅(標高1828m)まで登りました。





ケーブルカーの駅舎です。
屋上の展望台に上がります。





展望台のパネル表示の通り
ここは後立山連峰が横一列に並ぶ眺望が見事です。

あらためて正面に見る赤沢岳です。
扇沢から黒部ダムまでの関電トンネルは、この山の真下を通っていたのですね。





後立山連峰をバックにした黒部湖です。





そして向かい合う立山連峰です。
ダムから見るよりも、ひとつひとつの山がハッキリしてきました。
大観峰駅も左中腹に小さく見えます。





険しい断崖に建つ、白い大観峰の駅舎のアップです。
ここ黒部平とロープウエイでつながるこの駅は
立山を貫くトンネルへの入り口でもあります。
楽しみに参りましょう。





紅葉の絨毯の上をロープウエイのゴンドラが接近し、
また遠ざかって行きます。








山も黄色の木々に彩られています。




それではロープウエイで大観峰へ向かいましょう。
思いの外、この日は乗客が少なく、楽でした。
普通、連休だと1時間待ちはざらとのこと。




「立山ロープウエイ」のゴンドラです。
アルペンルートの中で唯一のロープウエイ区間です。


参考画像



ロープウエイからの景色。
高度が上がって行きます。





黒部湖が見えて来ます。





ここは積雪7mに及ぶ豪雪地帯なので、支柱が立てられていません。
支柱が無いロープウエイとしては日本最長とのことです。





斜面を走る模様も紅葉しています。




ロープウエイは大観峰までの落差488mを、上がって行きました。

ー続くー