09 Mar. 2010

by 渡辺耕士

猫の恩返し

毎朝散歩していますが、少し遠出をしたときに通る道の側に小さな
雑木林があります。中に5〜6匹の野良猫のコロニーがありいつも
丸くなったり日向ぼっこで時を過ごしている様子が見えます。
「猫に餌を与えないで」という看板がありますので、食べ物はあげられ
ませんが、あるときその中の一匹の黒猫と目が合い「ミャーゴ」と声を
掛けると「ミャー」と返事をかえしてくれました。

2〜3日後にまた同じコースを通りかかったとき、その黒猫の姿は見え
ませんでしたが、大きな声で「ミャーゴ」と呼びかけると、林の奥のほう
から少しけだるそうな感じでしたが「ミャー」と声が返ってきて、のそのそ
側に近づいてきます。
野良の割りに背中はビロードのような光沢をもった黒い毛で覆われ、
顔の半分と手足は白くなかなか愛嬌のある顔つきです。
その後は道を通るときには必ず「ミャーゴ」「ミャー」と挨拶を交わす
間柄になることができました。

食べ物をあげる事ができませんので、足元で丸くなっているときに
背中や顔を撫でてやるだけですが、気持ちよくなると身体を伸ばして
「ミャー」と甘えます。
そこでこの前、彼(多分)に「鶴の恩返し」の話を聞かせて、「このおじ
さんがいよいよ生活に困ったら、我が家にきてそのビロードの黒い毛
でミンクのコートを編むのだぞ」と言うと、「ミャー」と答えてくれました。
これで将来の生活の不安がなくなりそうです。
ただそう答えながらも何か言いたそうなので、聞いてみることにしました。

小生 「何か心配なことでもあるの」
黒猫 「そう言うたかておっちゃん、いくら黒い毛でもミンクと猫の毛は
    違いますさかい、すぐにばればれだっせ」
    (この黒猫どうも大阪出身のようです)
小生 「大丈夫やがな、相手は素人や、うまいこと誤魔化したるがな」
    (小生まで関西弁になってしまいました)
黒猫 「さよか、ほならうまいこと頑張りや」
小生 「それはそうと、わしの家わかるんかいな」
黒猫 「この前○○駅の傍やて言うとったやろあの辺で、少し間の抜けた
    顔したおっさんの家知りまへんか言うて訪ねていくがな」
小生 「・・・」

では又・・・