29 Jun. 2015


5月連休の旅(4)倉敷 


倉敷川の水路に沿って、江戸時代の蔵や町家が
当時さながらに保存されているのが倉敷美観地区です。

約50年前に母と来た時はそうした地区は川沿いだけにとどまっていましたが
その後周辺の古い町家も復元され、通りも整備されて
観光地としての規模が拡大し、訪れる人も倍増しています。



《アイビー・スクエア》


美観地区の南の端にあるアイビー・スクエアにやって来ました。



ここは倉敷紡績工場跡地に
ホテルを中心とした文化施設を建設したもので、
広い敷地の中に、オルゴール博物館倉紡記念館児島虎次郎記念館等が
付設されています。
中を通り抜けながら美観地区へアクセスしました。

こちらはホテルの正面玄関です。



中庭では野外結婚式が行われていました。




こちらはアンテイークのオルゴール博物館です。
1階ポーチに素敵なアーチ飾りが付いた洋館でした。




蔦の絡まる年月を経た煉瓦館です。







倉敷紡績の歴史や資料の詰まった「倉紡記念館」です。




こちらは「児島虎次郎記念館」です。
児島は倉敷の財閥だった大原家の奨学生として
東京美術学校を経て欧州留学し、当主の大原孫三郎の依頼で
エル・グレコ、モネ、ゴーギャン、ロダンなどの作品を買い付け
大原美術館の収蔵の基礎を造りました。




この付近は1600年の関ヶ原の合戦後、徳川家の天領になり
1614年の夏の陣にはここに設けられた陣屋から兵糧米が出荷されました。
1642年以降は倉敷代官所が置かれ、
備中、美作、讃岐の天領を支配し200年余り栄えました。

1888年(明治21)、幕末の混乱で廃墟となっていた代官所跡に
地元の有志たちによって倉敷紡績所が建てられ、
以来倉敷の発展に大きく寄与したとのことです。




アイビー・スクエアを出て美観地区に入ると
このような連休の人出ですが




裏通りに入ると古い蔵が並んでいます。





《大原美術館》






大原美術館は1930年に倉敷の実業家大原孫三郎が設立した
日本最初の西洋美術を中心とする近代美術のための美術館です。

コレクションは孫三郎の旧知の洋画家児島虎次郎が
3度にわたり渡欧して買い付けた絵画が基礎になっています。
戦後は長男の大原總一郎による収蔵作品の拡充や展示場の増設が行われました。



本館(西洋絵画)






入り口にはロダンの彫刻「カレーの市民」が置かれています。

ロダン 1884年頃「カレーの市民」



たくさんの西洋絵画のコレクションから代表的なものを
参考画像ご紹介します。



エル・グレコ 1590年頃「受胎告知」



セザンヌ 1883年頃 「水浴」



ゴーギャン 1892年「かぐわしき大地」



セガンティーニ 1892年「アルプスの真昼」



ロートレック 1900年 「マルトX夫人」



モネ 1906年頃「睡蓮」



ルソー 1909年「パリ郊外の眺め、バニュー村」



ルノワール 1914年「泉による女」




工芸館・東洋館



本館に続く広場に立つ白壁の蔵が工芸館です。




代表的な作品をいくつか参考画像でご紹介します。



富本憲吉1933年「白磁蓋付壺」



濱田庄司 1956年「青釉黒流大皿」



河井寛次郎 1963年「三色釉扁壺」




北魏(386-534年)「一光三尊仏像」




分館(日本の洋画




日本の画家の作品です。(参考画像)



岡田三郎助 1901年「イタリアの少女」



青木繁 1903年頃 「享楽」



岸田劉生 1924年「童女舞姿」



佐伯祐三 1927年「広告“ヴェルダン”」



藤島武二 1938年「耕到天」



美術館の隣の老舗珈琲店「エル・グレコ」です。
大原總一郎が収蔵の名画にちなんで名付けたとのことです。
鑑賞のあとに一休みと思いましたが満席で諦めました。
またゆっくり来ましょう。






このあたりの川辺に棲む白鳥も見かけました。





《有隣荘》

こちらは大原美術館の創始者の大原孫三郎が
病弱の妻のために建てた和洋折衷の住まいだそうです。
川を挟んで美術館の向かいに建っています。




有隣荘の左隣の黒い瓦の建物は同じく大原家住宅です。





《花嫁川舟流し》



この日は連休中の市のイベント、「花嫁川舟流し」があり
定刻になると雨にもかかわらず川沿いに大勢の見物の人垣が出来ていました。
花嫁の乗った小舟が漕ぎ進んで来ます。



川を引き返して来ます。




白無垢に赤い番傘の花嫁さんでした。






《大橋家住宅》重要文化財



美観地区の北の離れに大橋家住宅があります。

大橋家の先祖は豊臣家に仕えた武士でしたが
大阪城の落城後は京都に隠れ
1705年ごろから倉敷に移り住んで、水田・塩田開発や金融業で財をなし
名字帯刀を許されて倉敷村の庄屋もつとめました。

建物は1796年築のもので
街道に面して建てられたこの横長の長屋の向こうに
前庭を隔てて主屋が建てられています。
長屋を貫く出入り口は長屋門と呼ばれ、大橋家の格の高さを表しています。




主屋から見た長屋門です。左は米蔵です。




こちらは主屋です。
1階には倉敷格子が、2階には倉敷窓が入っています。
両方ともこのあたり特有の伝統工法です。




主屋に入ると土間に面して「店の間」があります。




奥の10畳の大座敷「上の間」です。




中庭




書斎




この6畳はパンフレットには「しんざしき」とありました。
この家では各6畳を
なかのま、こざしき、しんざしき、なんど 等
位置や用途に合わせて呼び慣わしていました。




小さな1坪の庭ですが、中庭と共に家の中心部分に置かれ
外気や明かりを取り入れる役目をしています。




煮炊きをする土間。相当高い天井です。



台所です。ここで食事もとっていたようです。




勝手口の外には井戸がありました。

大橋家の格式や当時の生活を偲ぶことができました。




《倉敷民芸館》



倉敷民芸館は川沿いの江戸時代の米蔵を活用し
各地の民芸品の寄贈を受けて1948年(昭和23)に開館しました。
これは東京駒場の日本民藝館(1936年開館)に次ぐ
二番目の開館だったそうです。

大原美術館の創始者、大原孫三郎は日本の民藝運動にも深い理解を示し
建設費を寄贈しました。




建物は倉敷の典型的な土蔵作りで
黒い屋根瓦と厚く塗られた漆喰の白壁、
そして堅牢さを増すために一面に貼り付けられた平瓦が特徴です。




収蔵品は家具、陶磁器、ガラス器、染織品、漆器など
生活の中で「用の美」が磨かれたものばかりです。








《倉敷考古館》



こちらの建物は「倉敷考古館」です。
ここも江戸時代の米蔵に、吉備地方の考古学資料や、
古墳からの出土品を展示してあります。




時間の関係で見学は割愛しましたので参考画像で簡単にご紹介します。

収蔵品の代表的なものは
津山市近郊の古墳から出土した奈良三彩蓋付壷
21.3cmもの高さがあるものは大変珍しいそうです。

奈良三彩蓋付壷 8世紀   参考画像



岡山市の大型前方後円墳から出土した、蓋付きの珍しい形の容器。
中にはいろいろな形の鉄製の工具が入っていたそうです。

金蔵山古墳 埴輪質合子 5世紀初頭 参考画像



倉敷市の弥生時代末の女男岩(みょうといわ)遺跡から出土の家形土器。
細長い台の上に飾られた大変珍しい形です。(高さ約50cm)

台付家形土器台付き 弥生後期 参考画像




《デニム・ストリート》



こちらは若い人たちを引きつけるデニム・ストリートです。
これらのジーンズは倉敷に近い児島で縫製されているもので
従来の帆布の加工技術を生かしたものだそうです。

2階は倉敷出身の星野仙一監督の記念館になっていました。














《本町・東町通り》



美観地区の東にある本町と東町は
運河沿いに蔵屋敷が建ち始める江戸時代以前からあった漁師町でしたが
干拓が進み人口が増えると共に
質屋、染物屋、畳屋、表具屋、桶屋、駄菓子屋、饅頭屋などが
店を並べ、倉敷で最も古い職人の町になりました。。

美観地区の拡充と共に
倉敷の特徴を備えた小ぶりな町家が一軒一軒補修されて
家並みの統一感も守られており
観光客も比較的少なく、当時の素朴な生活感を感じながら散策出来ました




何やら凝った外観のお店です。




お洒落な藍染の絨毯のお店でした。




人力車も方々で見かけました。







《倉敷川沿い》



江戸時代、この倉敷川が運河として湊まで続いていた頃、
倉敷は蔵が立ち並び、天領の物資が舟で行き交う拠点でした。
下記の絵は江戸時代のもので、当時の川沿いの様子です。




当時を彷彿とさせる家並みです。




現在は柳並木が情緒を添えています。




右端の洋館は1917年(大正6)に倉敷町役場として建てられました。
現在は倉敷館として観光案内所になっています。




雨も本降りになってきましたので
そろそろ宿まで戻ることにしました。





大原美術館 http://www.ohara.or.jp/201001/jp/index.html
倉敷民藝館 http://kurashiki-mingeikan.com/about.html
倉敷考古館 http://www.kurashikikoukokan.com/r-e2.html
古い町並み http://matinami.o.oo7.jp/furui-matinami-index.html
 

ー続くー