03 Mar. 2015

「冬の熱海 Part3 東京駅あたり」 TH

熱海から戻り、まだ時間がありましたので
東京駅八重洲口から5分の「ブリヂストン美術館」に寄りました。

ここは5月18日から新ビル建設で数年間休館になるため
2500点余のコレクションから
約160点を選び抜いた
「BEST of THE BEST」展が開かれていました。




この美術館は創設者の石橋正二郎氏が
1950年に初渡米した際に
ビルの中に造られた「ニューヨーク近代美術館」に感銘を受け、
2年後に京橋に竣工したブリヂストン本社ビルの
2階にギャラリーを設けて
自身の絵画コレクションを広く一般に公開したのが始まりだそうです。

屈指のコレクションながら仕事帰りにさりげなく立ち寄れる雰囲気を
この美術館が持っているのもうなずけました。


館内は撮影禁止です。
印象に残ったものをいくつか
サイトからの参考画像でお伝えします。


《古代美術》



エジプト《聖猫》
古代エジプトでは猫は聖なる守護神とされていたとのこと。


このほかシュメール、パルミュラ、ギリシャの石像をはじめ、
洗練されたものが並びます。



《印象派絵画》


ウジェーヌ・ブーダン 『トルーヴィル近郊の浜』1865年頃
上流階級の人々が浜辺に憩う様子です。
ブーダンは青空と白雲の表現に優れ
モネに戸外で絵を描くことを教えたそうです。


アルフレッド・シスレー『森へ行く女たち』1866年
フランス生まれのイギリス人シスレーは終生風景画を描き
典型的な印象派といわれました。


エドウアール・マネ 「自画像」1878年
マネの自画像は貴重で、現存しているものは2枚しかないそうです。


クロード・モネ《黄昏、ヴェネツィア》1908年頃
モネは時間や季節とともに移りゆく光と色彩の変化を
印象派の手法を用い、生涯にわたり追求しました。


ギュスターヴ・カイユボット『ピアノを弾く若い男』1876年
裕福な家に生まれ、多くの画家たちのパトロンだったカイユボット自身の作品は
1950年代になって子孫がようやく市場に出したそうです。


ルノワール『すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢』1876年
こちらの絵はブリヂストン美術館の一番人気で
絵はがきの売り上げもトップだそうです。


ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ『モンマルトルの風車』1886年
ゴッホがパリに出てきて間もない頃の作品で
歓楽街の裏手の風車を描いたものだそうです。


《日本の洋画》


黒田清輝 『ブレハの少女』1891年
1893年にフランス留学から帰朝後
黒田清輝は美術指導者として多くの画学生を指導し
日本の画壇に君臨しました。
戸外の光の表現を追求する印象派的手法が特徴です。


藤島武二《黒扇》1909年
スペイン風の白いベールと黒い扇が印象的な
ローマ留学中の代表作です。


青木繁 『天平時代』1904年
青木繁は久留米出身で28歳の若さで没しています。
3月31日より「海の幸」「わだつみのいろこのみや」などの
日本の古代へいざなう作品3点が展示されるそうです。


藤田嗣治 『猫のいる静物』1940年
猫は1920年代から藤田が好んで取りあげたモチーフで
この絵はフランス滞在中にパリで描かれました。
抑えた色調が洒落た印象を与えます。


藤田嗣治 『ドルドーニュの家』1940年
どれを取っても藤田の絵は大変洋風に洗練されていて
降参してしまいます。
フランスでは藤田の絵はエキゾチックに映るそうです。


安井曾太郎《薔薇》1932年
薔薇の花びらと花瓶の柔らかい表現が真黒い背景に引き立ち
とても印象的でした。


佐伯祐三 『テラスの広告』1927年
ポスターや看板の文字を配した独特の力強いタッチでパリの街を描き続け
30歳で客死しました。


《セザンヌとピカソ》


ポール・セザンヌ《帽子をかぶった自画像》1894年頃
セザンヌはこの油彩の絵を所々白く塗り残すという
斬新な手法を使っています。


ポール・セザンヌ 『サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール』1906年
セザンヌは伝統的な手法にとらわれない独自の絵画様式を探求し
印象派に次ぐ「20世紀の美術」に大きな影響を与えました。
生前は理解されず不遇な晩年に
ひたすら故郷のこの山を描き続け
納得のいく構図への壮絶な格闘の日々を送ったそうです。


パブロ・ピカソ『女の顔』1923年
この作品はピカソの表現形式の変遷の中で
『新古典主義』といわれる時代のもので
ギリシャ彫刻のような重量感をもたせて描いています。
石橋正二郎氏はこの絵を大変気に入っていたそうです。


パブロ・ピカソ『腕を組んですわるサルタンバンク』1923年
サルタンバンクはその日暮らしの大道芸人とのことですが、
ピカソはここでもその表情をギリシャ風に描いています。


パブロ・ピカソ 『画家とモデル』1963年
こちらはいわゆるピカソらしい作品でした。


《20世紀の絵画》


アンリ・ルソー『牧場』1910年 
ルソーの世界を目の当たりにしました。


アンリ・マティス『縞ジャケット』1914年
軽やかで明るい絵で素敵でした。
モデルは娘さんとのこと。


アンリ・マテイス『青い胴着の女』1935年
こちらのモデルは秘書だそうです。


ジョルジュ・ルオー『郊外のキリスト』1924年
労働者住宅街にふと見ると立っているキリストの光景に
感動と哀感を覚えます。


ジョルジュ・ルオー《ピエロ》1925年
目を閉じたピエロの表情が重く心に残ります。
ルオーは1958年に死去し国葬が営まれたそうです。


アメデオ・モジリアニ『若い農夫』1918年
まさしくモジリアニでした。


ワシリー・カンデインスキー《2本の線》1940年
ロシア出身でミュンヘンで教育を受け
抽象画の先駆者と言われているそうです。

まだまだ戦後美術へと展示は続くのですが今回はこの辺で。


***


今回の展示を通して「ブリヂストン美術館」の収集が
19世紀以降のフランスを中心とした西洋絵画や
それに影響を受けた日本の初期の洋画が系統だって揃えられている
ことが実感できました。


さて一回りしたところで、館内のカフェで一休みです。
この店の名前「Georgette」は
前掲のルノワール「すわるジョルジェット・シャルパンテイエ嬢」から
付けられたとのこと。

                       参考画像


お味もサービスも大変よく、素敵な美術館カフェでした。

                       参考画像


店の壁のフレスコ画。
日本人の専門家による現地での模写とのことで
カフェの雰囲気にぴったりでした。




またたく間に閉館時間となり
3月31日の一部展示替え後の再訪を楽しみにしながら出ました。

暗くなった美術館の外廻りのデイスプレイが
夜の照明で一段と素敵でした。
因みに金曜日は夜8時まで開いているそうです。







京橋あたりの夜景です。




このあと東京駅ステーションホテルに寄って




2F「カメリア」で軽食と飲み物のおトクなセットで
今日の遠出を締めくくりました。

                                          参考画像

そして前回来た時に1Fのラウンジに満員で入れなかったことを思い出し
ちょっとお茶を飲んでめでたくリベンジも果たしました。
楽しい冬の1日でした。



ー終わりー