12 Jan. 2014

奈良訪問 その3 TH


《薬師寺》

近鉄橿原線西ノ京駅に隣接した薬師寺にやって来ました。
ここは興福寺と並んで法相宗の大本山です。
(法相宗は「大唐西域記」を著した玄奘三蔵法師が始祖だそうです。)

薬師寺の建立は680年に妃(後の持統天皇)の病気平癒を祈願した
天武天皇の発願によるもので、
698年に飛鳥藤原京に完成しました。

その後平城遷都に合わせて、718年に現在の西ノ京に新たに建立されますが
1528年の豪族同士の戦いにより、東塔を除く全伽藍が焼失し
仮伽藍のまま400年余りが過ぎました。

そして1967年に写経勧進による復興の動きが始まり
現在東塔を除く新伽藍が完成しています。


薬師寺 伽藍図 
                        
 
 
  
参考画像: http://www.nara-yakushiji.com/guide/garan/index.html 



南門(重文)

上記伽藍図の南端が正門の南門です。室町時代のものだそうです。


                                                  
重文 南門  室町時代(1512年)    参考画像

南門の脇にある拝観口です。後ろに西塔が見えています。
薬師寺は「古都奈良の文化財」としてユネスコ世界遺産に登録されました。


中門と回廊(1984年再建)

1984年に再建した中門です。左右に長く回廊が伸びています。


中門の両側に立つ二天王像は1991年に復元製作されたものです。
新しいし鮮やかに彩色されているし、あまり怖くないですね。

   
    



中門から両側に伸びた回廊金堂を囲んでいます。



青い連子窓を風が吹き抜け、風景も透けて見えます。



金堂(1976年再建)


中門をくぐると、金堂が目に飛び込んで来ます。



薬師寺管長の陣頭指揮のもとに百万巻の写経が勧進され、
1976年、最初に建ったのがこの金堂でした。
建物の内陣は防火のため鉄筋コンクリートだそうです。




こちらの金堂には本尊の国宝 銅像薬師三尊像(白鳳時代)が安置されています

 
月光菩薩           薬師如来              日光菩薩    参考画像  


中央の薬師如来と脇侍の日光月光菩薩の3mを超す大きさは
金堂内にあって圧倒的な迫力です。
両菩薩の立ち姿はインドの仏像の影響を受けて大変美しく、
三尊の力強さは白鳳時代の仏像として最高位のものだそうです。


薬師如来の台座(国宝)は遠くギリシャ、ペルシャ、インド、中国から伝わった
個性的な模様で飾られています。

国宝 薬師如来台座 白鳳時代         参考画像



西塔と東塔


薬師寺式伽藍


これは飛鳥藤原京に建てられた最初の薬師寺の伽藍配置です。
中門から講堂まで金堂を取り囲む回廊の内側に
西塔東塔を建てる古い様式で、「薬師寺式伽藍」と呼ばれています。

天平時代には塔は回廊の外側に一つ建てる様式に変遷しますが
平城京の薬師寺はあくまで創建時の様式を踏襲し、
西塔と東塔が回廊内に建てられました。

薬師寺は復興再建にあたってもこの様式を受け継ぎ
今日も「白鳳伽藍」の名で薬師寺独自の大きな特徴となっています。


西塔(1981年再建)

東塔の窓が白塗の壁であるのに対して
西塔は連子(れんじ)窓と呼ばれる木製の窓で、青く塗られており大変華やかです。
よく知られている通りこれは三重の塔で、
間に裳階(もこし)と呼ばれる小さな屋根が付いています。








国宝 東塔(解体修理中)

東塔は薬師寺で唯一残る創建時の伽藍で、1300年前のものです。
バランスのとれた美しさは余りにも有名です。

現在、塔全体を覆う大きな屋内作業場の中で解体修理が進んでいます。
5年後の2019年春に完成する予定だそうです。


参考画像:http://ja.wikipedia.org/wiki/薬師寺


こちらは解体された薬師寺東塔の部材置き場です。
塔の上部の青銅の相輪もここに保管されています。
相輪の先端に付いている水煙も取り外されて展示中でした。
普通だと塔の上まで登らないと見れない飛天の舞姿を、
ゆっくりと間近で見る事ができました!
                       
  
                    水煙


横たわる巨大な台湾ヒノキは塔の柱になるそうです。
東塔が完成する2019年が待たれます。


大講堂(2003年再建)


大講堂は正面41m、奥行20m、高さは約17mあり伽藍最大の建造物です。
大講堂が金堂より大きいのは古代伽藍の通則で、
これは南都仏教が教学を重んじ講堂に大勢の学僧が参集して経典を講讃したためです。」
(薬師寺公式HP http://www.nara-yakushiji.com/guide/garan/garan_daikodo.htmlより抜粋)

「青丹よし」が奈良を表す枕詞と習いましたが、
この日の薬師寺の空を背景にした青と丹の色遣いは
それを実感させてくれました。



広い敷地の一角の清々しい佇まいです。
どこもかしこも手入れが行き届き、作務衣や薬師寺の法被を着た
「堂童子」と呼ばれる近郷の大勢の初老の男性の方々が
熱心にお寺の仕事に励んでいらっしゃいました。
ここではお寺が力強い精神的な支柱になっている事に感銘を覚えました。

歴史ある古い建物を一新した薬師寺の伽藍は
一体どんなだろうと思ってやって来ましたが
晴々と立派だという事が分りました。

—続く—