06 Nov. 2013



秋の上野 美術館巡り TH


晩秋の上野公園で
奈良と京都から来た美術展を観ました。

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その1 「国宝興福寺仏頭展」東京藝術大学美術館


上野公園の奥まったところにある東京藝術大学の正門です。
赤レンガの門柱も木造の門衛詰所も懐かしい佇まいです。



お向かいの大学美術館で今、「国宝興福寺仏頭展」が開かれています。
「仏頭」は美術史の教科書の白鳳時代のページに必ず出て来ますので
皆さんご存知のことでしょう。

今回の仏頭展にはこの白鳳時代の「銅造仏頭」のほか、
鎌倉時代の「木造十二神将像」12体、そして平安時代の「板彫十二神将像」12枚の
合計25の国宝が出展されています。





この仏頭は1937年の興福寺東光堂の改修工事の際に
本尊の台座の中から発見されました。

丁寧に納められた状況から、
1411年の落雷による火災で所在不明になっていた、
当時の東光堂の本尊の頭部であることが明らかになります。

そして興福寺に伝わる記録により
この仏頭はまさしく685年に天武天皇の命により
蘇我石川麻呂と家族の慰霊のため鋳造し、飛鳥山田寺に祭られたもので、
その後1187年に興福寺東光堂に本尊として移された、
白鳳時代の仏像である事が確定しました。

被災の衝撃で頭頂部が欠損し、片方の耳が陥没していますが
若々しくも高貴な顔立ちは損なわれていません。
頭だけでも高さは1mに近く、大変大きな仏像だったようです。


国宝「銅造仏頭」白鳳時代・685年 興福寺   参考画像


照明をおとした展示会場には、銅造仏頭が上座に据えられ、
鎌倉時代に彫られた12体の木造十二神将像が広い空間に配置されています
仏法を守護する緊張感と気魄に満ちた素晴らしい彫刻群でした。

国宝「木造十二神将像」鎌倉時代・13世紀 興福寺     参考画像


今回は11世紀に製作された板彫の十二神将像も展示されていました。
比較的薄い板に彫ってあるのですが、肉厚に感じてしまう技術と迫力でした。

国宝「板彫十二神将像」平安時代・11世紀 興福寺      参考画像


こちらは今回特別陳列された、東京三鷹深大寺の重文「銅造釈迦如来椅像」です。
仏頭と同じ白鳳時代7世紀作ですが、顔形がよく似ています。
中央で造られ関東へ伝えられたとされています。

思いがけない奈良と東京三鷹の縁を知りました。
近くですので今度訪ねてみようと思います。

重文「銅造釈迦如来像」白鳳時代・7世紀 深大寺   参考画像


―続く―